昔は新入社員だった私も、もう早いもので気づいたらすっかり中堅社員になってしまいました。
そうなると、自分の仕事をやるついでに、後輩を教育するよう上長命令が降りてきたりします。
ついでにできるものじゃないのにね。さぁ大変だ(笑
何年か同じ会社に勤めていると教育する立場になることもあると思います。
いきなりお願いされても「そんな!私、人を育てたことなんてないぞ!」ってなりますよね(笑
ついこの間まで教わる立場だったのに、いきなり人を育てる立場になってしまい、困ってる方も多いかと思います。
今回は、いつの間にか中堅社員になってしまった私が実践している新人教育のコツを3つご紹介します。
また、まだ新人の方は「先輩はこんなこと考えてるよ〜」というのを読みながらわかってもらえるといいかなと思います。
話しやすい環境を作る
新人は当然のごとくミスをします。そりゃ知らないので当たり前ですよね。
最初なのでミスするのは当然。ミスすること自体はそれほど恐れてないのです。
じゃあ何が1番恐いって、先輩として一番恐れているのは、ミスを長期間隠されることなんですよね。
失敗はいいんです。先輩なので、カバーの仕方も知っています。ちょっと手間が増えるぐらいです。
でも失敗したのを報告なしで放置されるのが一番困るんですよね。
気づけないと対処もできないし、気づくのが遅れると大変なことになってたりする。
ですので、まずミス隠しが起こらない環境を作ります。
ミスしたに新人たちが考えるのって、だいたいこんな感じです。
「やばい、不注意でやってしまった!」 「どうしよう、報告すると怒られるかな、言いづらいな…」 「自分でリカバリーできるかな…よ、よし…」 「やばい、さらにやってしまった、どどどうしよう…もうこんなの絶対言えないよう…」
こんな感じでどんどん泥沼へハマっていきます。そして気づいた時には大変なことに…
これを避けるために、普段から
- 困ったらとりあえずこの人に聞けばいいんだ
- この人になら話やすいかな
- どのタイミングで言おうかと思ってたけど、このタイミングなら言える…!
のように、とにかく話しやすい環境を整えます。
その話しやすい環境を作るために、次の3つの話し方をしています。
たくさん話す
慣れない場所に来ていきなり色々自分から話せる人は少ないので、まずは一方的に話しまくります。
仕事の話だけじゃなくてプライベートの話も混ぜて話すといい感じです。
人となりが分かってくると、相手も話しやすくなってきます。
まずは自分のことを知ってもらって、相手の警戒心を解いていきます。
失敗談を話す
新人から見ると、先輩社員ってめっちゃすごい人に見えるので(実際はそんなことないのにね)
先輩だって失敗するんだよ、昔は失敗ばっかりだったよ、という話をします。
ミスしちゃうのは自分だけじゃないよ(みんなもミスしてるよ)ということを理解してもらい、失敗に対するプレッシャーを小さくしていきます。
定期的に話す
毎朝だったり、毎昼だったり、帰る時だったり、15時とか時間を決めちゃうのもOK。
どんなタイミングでもいいので、「この時間になるとあの先輩は話しかけてくるぞ」っていうのを習慣化させます。
そもそも新人にとって、「先輩に話しかける」という行為そのものがハードル高いと感じているので、話すきっかけとなる機会を頻繁に作るようにします。
定期的に話すと「次、話しかけられたついでに質問してみよっと」と考えるようになるので、このハードルがグッと下がり、話してくれるようになります。
要はコミュニケーションを取りやすいようにして、しっかり報連相してもらおうってことではありますが、「報連相ちゃんとやってね」の一言でできた新人は私は会ったことないので…もし報連相ができてなさそうな新人がいたら試して見てください。
小さい失敗は経験させる
さて、コミュニケーションを取れる環境になったら、実際の仕事をさせますが、新人なので当たり前のように失敗します。
ですので、その失敗を許容します。
さすがに事業に影響の出るレベルの失敗は事前に阻止しますが、ちょっと残業すればカバーできるものや、謝れば許してもらえそうな失敗は、失敗しそうなことが分かっていても見て見ぬふりをするようにしています。
自転車の練習で言うところの、転ぶのを待つ感じです。
小さい成功体験を積み重ねないと大きな成功をするのは難しいように、失敗体験もまた経験しておかないと、学びが少なく終わってしまい、将来大きな成功を見込むのは難しいです。
先輩たちから見ると小さい失敗でも、本人にとってはとてもショックで心の中でかなり反省してたりします。これが成長につながるので、小さい失敗経験は摘み取らずに、失敗させます。
幸い「新人ならまぁ仕方ないか」と思ってくれるお客さんもいますので、新人のうちに失敗させておきます。年取ってからだと許してもらうのが大変だったりもするので…なるべく新人のうちに失敗経験を積ませます。無条件に許してもらえるのって若者の特権ですほんと。
失敗を全く経験せずに成長してしまうと、いざ大失敗してしまった時どうしようもなくなって、それこそ取り返しがめちゃめちゃ大変になったり、事業が傾いたりしかねないです。
また、一度も転んだことないと、立ち上がり方がわからないので再起不能になったり、ひどいと出社できなくなってそのまま退職、なんてパターンもあります。
積極的に、というわけではないですが、失敗経験で得られる成長の芽は摘まないようにしています。
過去の失敗から学ぶ、ということもできますが、
過去の事例を聞いただけで理解・成長できる人は少ない…です。歴史から学ぶというのはほとんどの人にはできません。
私もそうですが、ほとんどの人は自分自身で失敗しないと理解できません。(だから人間は同じ過ちを繰り返すんですよねぇ。歴史は繰り返す…)
ですので自分で失敗を経験させましょう。
先輩目線だと失敗前の修正より失敗後のフォローの方が手間なので避けたくなりますが、自分が新人の時は先輩たちがフォローしてくれたなぁということを思い出して、あぁ…自分がフォローする番が来たんだなぁ、と思ってがんばりましょう。
ビジネスであることを教える
学生から社会人になったばかりの新人は、アルバイトぐらいしか働いた経験はないかと思います。
これからはアルバイトではなく、ちゃんと社員として働いてもらわないといけないので、アルバイトとは違うんだよ、社員として採用した君にやってもらいたいのは「ビジネス」なんだよ、ということを教えていきます。
それぞれ会社によってビジネスが違うので一概には言えませんが、私の場合、具体的には次の3つについて話しています。
- 社員が動く時間は全て「コスト」であり、時間をかけてひたすらより良いものを追求すれば良いというわけではないこと
- 顧客を対象とした仕事をして、顧客に必ずお金を支払っていただく。我々は営利目的の企業であり、慈善事業をする団体ではないということ
- 何でもかんでも顧客の言うことを聞けば良い、というわけではないこと
これらのことをしっかり時間をかけて教えます。
社会人になったばかりだと、まだお金のことを考えることもないので
「お客さんの要望はなるべく叶えよう!」
「できるだけ、より良いもの・サービスを提供しよう!」
と一生懸命になり、お金のことそっちのけで頑張ってくれます(笑)
一生懸命なことは、とっても良いことなのでね。いいんです。
若いなぁと思って見てます(笑)
お客さんの要望を叶えることは、とっても良いことだ。
より良いものを作ることも、とっても良いことだ。
ただその上で、
- 君の給料はどこから出てるのかな?
- 残業代は何をもとに計算されているかな?働いた時間が多いと増えるよね。君のその頑張った分で会社の売上は増えたかな?
- お金が入ってこないと会社はどうなるかな?そして君の給料はどうなっていくのかな?
- もし担当者が君から変わったらどうなるかな?君の前の担当者がサービスで〇〇をやってたらどうする?私は前担当者とは違うのでできません、と伝える?君がお客さんだったらどう思うかな?
と、いろんな気づきを持ってもらえるような質問をたくさんして、本人の考えを聞きます。
上の例は私の今の会社のビジネスの例なので、例えば営利企業じゃないところに属していると違ったアプローチになるかとは思います。
これから君に期待するのは「ビジネス」であるという意識をしっかり持ってもらい、「営利企業の目的」をすり合わせておきます。
経営に近い部分の話なので、以前はもう少し後(5年目とか)でもいいかなと思っていましたが、教えた新人本人からは「勉強になりました!あの頃教わっておいてよかったです!」という声も多かったので、1年目の新人のうちに教えちゃうようにしました。今ではみんなすっかりビジネスマンです。自律的に動いてくれるようになって、ありがたいことです。そのうち抜かれそうだな(笑)
まとめ
今回は新人を教育する上でのコツを3つご紹介しました。
- 話しやすい環境を作り、失敗隠しを防止する
- 小さい失敗は経験させて、成長の芽とする
- これからはビジネスをするんだ、と認識させる
教育って立ち位置的にあまりウマみのない非常に難しいところでして、
それなのに時間が余計かかったり、評価されなかったりと、敬遠されがちなところだったりします。
でも、そんな中どうしてしっかりやってるの?って考えると
幸い、私自身が良い先輩に恵まれ、色々教わってきたので、次は自分の番かな、と思って試行錯誤しつつ後輩に教えるようにしています。
損得勘定というより役割かな。って気持ちでやってます。
下が育たないと、次の時代を支える人がいなくなっちゃいますし。
こんなこと考えるなんて、すっかり年取ったなぁ…笑
それでは、みなさまの新人教育がうまくいきますように。